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実に優美な奈良時代の均整唐草文軒平瓦です。
外区には二条の界線が走り、内区には(忍冬?)唐草文がふっくらと表現されています。すっきりとした意匠は、淡灰色の上りと相俟って、涼しげな印象です。
該軒平瓦に墨書等、出土に関する情報はありませんが、瓦当文様、中心飾のデザインから、平城宮で使用された可能性があると考えます。
参考画像(*1/No.2407と*2/ No.482は)はともに平城宮とされています。
そして、法隆寺(No.483/経蔵付近より出土)と似ているのも夢があるように思われます。
ご覧のとおりの残欠ですが、意匠は洗練され、キャストも良く、飾り映えいたします。 箱はございません。
幅:19cm 奥行:20cm 厚み:5.3cm
*1『大和考古資料目録』橿原考古学研究所付属博物館
*2『関野貞 日本の建築と芸術』太田博太郎編
奈良時代後期大官大寺系唐草瓦 |
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