|
人目を引く大きさと、すっきりと洗練されたフォルムが融合した、縄文時代中期の深鉢です。加飾を口辺に絞ったセンスも抜群です。口縁に波打つ装飾は、小さいのですが、力強く、縄文のエネルギーを感じさせます。
中期の深鉢の中では、少し珍しいタイプです。参考画像(*)の上段のグループ、「過剰装飾」後の土器、に属するものかしらと思っております。
画像左は、同じ面を、水平から撮ったものと、やや上から撮ったものを並べました。
状態は、
入手時、網に入ったスイカのように、素人がバラバラな陶片を繋いだ状態でしたが、底の部分以外、ほとんどオリジナルピースでしたので、プロの補修をお願いしました。ご覧お通り、遠目には全く気にならないと思われます。中央の画像は補修箇所の拡大画像です。
高さ(含台)32センチ、口縁22センチ、とかなり大きいです。飾った感じを、店内画像でご確認ください。
自立するのですが、いかにも底面が小さく不安定なので、見た目のスタイリッシュなフォルムを妨げないような台を誂えました。
大きさの割に薄手です。土も良いのでしょうが、縄文びとの腕も良かったのでしょう。焼成後の出来栄えに、にんまりしたのではないでしょうか。
*『日本の美術 #497 縄文土器 中期』
|
|