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ほっそりとした姿がとても好ましい経筒です。
本経筒は、総高34センチ(塔身高27cm、傘蓋高7cm)、塔身口径7センチ、銅鋳製円筒式で、塔身中央に鋳継をしたとおもわれる帯がめぐります。
1)「経筒の大きさは、納める経巻の高さ、巻数によって左右されるが、平安時代のものは高さ一尺位、口径6、7寸位が多く・・鎌倉時代は高さが低くなる・・室町時代になると小型になって・・」(『佐賀の経筒』佐賀県教育委員会)
2)参考画像Aの四点は、すべて九州出土の平安時代後期のもので、総高26.6〜35.4センチです。
3)参考画像Bの相輪鈕を持つ経筒は五点すべて伝も含め、九州出土の平安時代後期のものです。
箱に「唐 経筒」とありますが、本経筒は、九州出土、時代は平安時代後期まで上るものと考えます。
細身の塔身には微かな膨らみ、エンタシスの優美さが感じられ、傘蓋の控え目な広がりは、相輪鈕の天を仰ぐ姿をひときわ美しくみせるやに思われます。
飾って、時に花を添えて、お楽しみください。
*参考画像:『経塚遺寳』奈良博
*傘蓋:「蓋の周縁が塔身口縁部より張り出し傘状をなすもの」『経塚遺寳』
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