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「旧東寺蔵の木像不動明王坐像の像内に納入されていたもので、近年偶然に発見されたものである。一紙にほぼ同形の不動明王を、横一列に十体を彫った版木で十段百躰慴写している。光背の火焔を表現する線のリズムが美しい。この不動明王は数十年ぶりに東寺に里帰りしたことになる。」( A )
本紙は一紙百躰の四分の一、二十五躰の額装です。クリーム地のマットに、濃茶の細いフレームをあわせました。
東寺の不動明王坐像には、虫損がひどいものも多いのですが、本紙では比較的少なく、更に薄い裏打ちの下に同色のマットを敷いた為、虫喰いは目立たちません。
不動明王は「わが国では、9世紀の初めに空海により正純密教とともに請来され、以降盛んに信仰された」( B )とあります。
その東寺に伝来した不動明王像であることは鑑賞の一助となると思われます。
室町時代 額:38.3 x 29.1cm
A:『東寺の仏教版画』 東寺宝物館 平成三年
B:『仏像鑑賞の基本』 久野健 里分
あけましておめでとうございます
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます
どうもありがとうございました。
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