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野の花をさそう新羅の磚です。
新羅の磚は「・・種類も多く、蓮花文・宝相華文などから四天王像の彫刻までみられる。新羅瓦磚の手法は雄健華麗の一語につき、古代東亜の瓦磚はここにいたって最高の芸術品にまで昇華された・・新羅の仏教文化が隆盛を誇るようになったのは統一新羅に入ってから」(*1)、とあります。よって時代は、8〜10世紀頃(*2)と考えます。
本残欠には、一千年の時の経過を体現する寂の美しさがあります。
中央のひびも、奈良の土塀の隙間から緑の芽が顔をのぞかせる様が思い浮かばれるような景色です。
状態は、裏面に見えるよう二片を接着しています。割れ面には経年による柔らかみがありますので、二片同時に採取し、文様にひびかぬよう細心の注意をもって接着したようで、かの人物の磚への思いも窺えます。
本残欠は薄い板状ですので、立てる為の磚(撮影時に使用:中央の画像6枚)をお付けいたします。同じ場所・時代のものですので一体化して見えます。落しを留めるにも重宝します。
花を添えてお愉しみいただきたい磚です。
*1:『新羅の古瓦磚』北九州市立歴史博物館:
*2:統一新羅:676〜935年『日本史年表』
磚:最大長辺:25 cm 最大幅:12 cm 厚み:2.5 cm
付属磚:15 x 16 x 18 cmの三角形 厚み:約5.5 cm
箱なし
ライティングにより見え方は大きく異なります。陰影をつけると、往時の「雄健華麗」な姿がよみがえります。
どうもありがとうございました
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