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半蔵門ギャラリー 白描梵天像  

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童子のような張りのある肉付きのよい肢体に、あどけない表情で右前方を見るのは、梵天です。

「・・中国を経て我邦に伝えられた古い梵天像はすべて二臂像で・・中国風の礼服を着用した二臂の立像である・・降って七世紀以降、新たに婆羅門の神としての梵天(ブラーマン)が密教像に組み入れられ、別の形式を踏襲して四面四臂像に造像され、両界曼荼羅の外院をはじめ、十二天中の一天として天界の主に擬せられるにいたった。彫像としては東寺講堂像を典型とする。これら密教像は右上手を戟、下手を施願印に作り、左上手に蓮花、下手に水瓶を把る」
『仏像図典』佐和隆研 吉川弘文館

東寺の曼荼羅(参考画像: 『東寺の曼荼羅図』)では、胎蔵界外金剛部院に、四面四臂で蓮華座に坐し右を向く梵天像が描かれています。
本像もそのような梵天と考えます。

頭上面は、短い一筆で目を描き、その墨溜まりで瞳を表し、強い視線を放ちます。左右は、おっとりとした雰囲気や、かわいらしい幼児のような表情など、それぞれ個性がみえます。
四面四臂の奇異な姿は、そのようには見えず、母親とおぶわれる幼児のような、ほのぼのとしたものです。

表具は、やや赤みのある茶の平絹を上下に、中にベージュの高野裂、間に桃色のスジを入れ、愛らしく品の良いものです。
梵天に薄茶のシミがかかりますが、時代の趣があり、かえって本紙と表具の相性を増したように見えます。
 
時代は、古雅の趣のある筆致、簾の目など料紙、虫喰いなど料紙の状態、その手当などから、鎌倉時代まで上るものと考えております。

梵天一尊というのはなじみがありませんが、
「婆羅門教では、宇宙万有を生ずる根源を梵と名ずけ、これを神格化し梵天として尊崇する。わが国でも仏法守護、鎮国利生の神として帝釈天と共に信仰された」
『仏像鑑賞の基本』久野健
とあるように、身近におかれて好いものと思われます。
小品ですが、深く長く愉しめる一幅です。

軸:91.5 x 27 cm

どうもありがとうございました。
 


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