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珠洲古窯の櫛目紋小壷です。
フォルムは、口頸部をきれいに欠失し、張りと丸みの調和する肩から、柔らかな脹らみを残しつつ、底面へとおだやかなラインを描いていきます。
櫛目紋は、連弧であったり、波状であったり、リズミカルに肩を一周しています。
それにしても不思議な姿です。
口頸部を誤って欠いてしまった、とは考えられない、明らかな意志をもって、打ち欠かれた造形です。
これは、経塚にて経筒の外容器として使用された可能性がとても高い姿です。
参考画像は経塚から出土した、口頸部を欠失する壷、高さ20センチ前後のものです。
『経塚出土陶磁展4 東北・越後地方に埋納されたやきもの』(奈良博)より
再び、口頸部を失った珠洲小壷をみると、口頸部を欠いていても、否、欠いているからこそ、経塚遺物であり、古写経の前に、仏様の脇に、花を添えるにふさわしい姿とも、おもわれます。
状態は口頸部を欠く時にできたと思しきニュウ4本。
1:7cm、 2:4cm、 3:6cm、 4:4cm(これは目立ちません)
時代は、櫛目紋の位置と形、及び、参考画像の四点が、平安後期から鎌倉時代となっていることからも、12〜13世紀のものと考えます。
高さ:約19cm、胴径:約18cm、底径:約9cm
*竹に漆をかけた、そのままでも花器になりそうな落しが付きます。
どうもありがとうございました |
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