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平等院の梵鐘の拓本です。
「銘の神護寺、声(ね)の園城寺、姿の平等院とよばれて、これらは天下の三名鐘にあげられている」
『国宝 平等院展』
平等院の梵鐘の飛天には華盤を持つものと、蓮華を持つものの二種ありますが、本拓本は蓮華を持つ方です。
平等院ミュージアム「鳳翔館」の図録では、表紙、更に最初の頁が鳳翔館での梵鐘が展示されている様子、そしてかの鳳凰一対に続き再び梵鐘の全容が掲載されています。(参考画像)
笑みを浮かべ蓮華を持つ飛天と元気のよい獅子の姿は、巨鐘と言われる平等院の梵鐘の大きさもあり、迫力があります。
拓の取り方も所々墨が黒々とのっており、力強い感じでしょうか。
時代については、銘文がなく諸説あるようですが、
「平安時代中期の唯一の遺鐘・・種々の点から平等院の草創期の製作にかかるものであることを信ずる・・その意匠に多分に平安時代前期の特徴を含むとともに、多分に後期のものの特徴を発揮していて、中間過渡期の製作にかかるものであることを示している」『日本の梵鐘』坪井良平 との説をご紹介いたします。
表装は天地は白の揉み紙、柱は薄いベージュの布で、拓本を引立てます。掛ける場所に合わせたものか、大変長い天地でしたので、丈を詰めました。
状態は、一見してきれいなものですが、細かく視ていくと茶の染みが浮き出ているところや破れもありますが、飾ってお楽しみ頂くのに全く気にならない程度とで思われます。
合わせの箱で若干長いのですが、新しい箱、たとうが付きます。
平等院・鳳凰堂と読める朱印が隅にあります。
高さ:142cm 巾:75.5cm |
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