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見立ての高麗茶碗の中にあって、高台が高く、胴部がいったいにゆったりと張った碗形の一群は、「呉器」と分離されております。
またその中でも分類は、「大徳寺・一文字・紅葉・錐・番匠・尼・遊撃・絵」等々、数種にわたる。
本碗は、「尼五器」に該当するもので、小振りに引き締まり、おとなしい作行であることから尼僧に見立ててのこととも思われます。
また、この手の頂点に君臨する茶碗の画像を添付致しました(最後の画像)。
総体に掛けられた朽葉色の釉薬は滑らかに良く溶けて、腰から胴にかけて丸みを持って立ち上がり、高台は高く、高台内は丸く深く削り込まれている。
その素直な形は、掌に収まりよく、茶映りも申し分ありません。
数多の雑器の中から選びに選び抜かれ、伝世した高麗茶碗の佳碗です。
無疵。
口径 13.3cm
高さ 8cm
朝鮮時代前期(16c)/箱・御物袋付
参照画像・・・「高麗茶碗 第四巻」中央公論社 P53
早々の御売約、ありがとうございました。 |
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