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藍九谷とは染付だけで完成させた九谷様式時代の古伊万里。それは多分にシンパシーが溢れると云いますか、憧憬を込めたネーミングだなぁとつくづく思わされますね。
ですから昔はむさぼるようにこの山下さんの本を読んで、そこに掲載された品々に対して「いいなぁ~、いいなぁ~」と呪文のようにぶつぶつ云っていました。懐かしい思い出ですが。
この芥子文のお皿もその一つで、色絵でも青手でも見られるモチーフでしたね。
見込みに大きく芥子の花と蕾、たっぷりとダミを含ませた筆で塗りつぶしています。そして周縁には陰刻で如意頭がスタンプで捺されていて、口縁は薄瑠璃で塗って画面を締めています。
裏面にはお決まりの折れ松葉が伸びやかな筆致で配されていますね。高台には誉銘とよく呼ばれていた文様化された銘があります。これも評価の高いポイントでした。
直径もかなり大きくやや八寸皿に近いもので、飾り映えのするヴォリューム、素地は生掛け焼成特有のクリーミーな温雅な膚でいいものですね。
疵はあってもその見事さは見捨てがたいもの、入門編としても
好適な一品と思います。
直径22.8~23.0 高さ2.5~2.9センチ
江戸時代前期 1640~1660年代頃
時代箱に収められています。紐は無くなってしまっています。
口縁に欠損と小さな削げの金繕いがあります。
画像に出てくる皿立ては付属しませんのでご了承下さい。
参考画像 昭和45年雄山閣出版発行 山下朔郎著 「古伊万里染付皿」より
御売約ありがとうございます。 |
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