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紙本 着色 共シール 額装
90×140㎝ / 121×169㎝
小早川秋聲は、大正から昭和にかけて活躍した日本画家です。歴史画の名手・谷口香嶠に師事し、精緻で臨場感あふれる作品を数多く残しました。
本作は平安後期の後三年の役を題材とし、兄を救うべく出兵した源義光が、戦地に赴く前に笙の秘曲を師の息子へ伝えた故事を描きます。月光に照らされた義光の厳かな姿、鎧や衣の細密な筆致、陰影の妙が静けさを湛え、画面を満たします。簡潔な構図ながら、光の表現が生む重厚な気韻は圧巻。笙の音が響くような余韻を残す、秋聲の真骨頂といえる作品です。 |
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