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絹本 着色 菅原白龍箱書
116×49㎝ / 218×65㎝
岩井江雲は江戸中期の絵師で、中国の沈南蘋に学んだ熊代熊斐の門人と伝えられています。しかしその生涯は不明な点が多く、僅かな記録からその存在を知るにとどまります。
本作に描かれるのは、水辺に遊ぶ鴨と秋草。羽毛や水かき、岩肌の質感までも綿密に写し取る精緻な表現と、濃淡の妙により立体感を生み出す筆致は南蘋派の特徴をよく伝えています。野性味ある鴨の眼差しは今にも動き出しそうな迫真性を備え、江雲の確かな力量を物語ります。
秋景を気品豊かに描いた本作は、季節に寄り添う閑雅なひとときを誘う作品です。
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