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平安時代に制作された一木造の木彫天部四天王像です。
見る者の眼を捉えて離さない、圧倒的な迫力と、重厚な存在感が魅力的です。
心を鷲づかみにする、うねるような木の動きと緊張感に満ちた、力強い造形を持つ仏像です。
像全体から放たれるスケールの大きさは、実寸を超えた威容を感じさせます。
手に取れば、軽みを感じるほど木は枯れ、古(いにしえ)からの時の流れを感じさせる木味も魅力的です。
平安時代の面影を静かに物語る、味わい深い表情を呈しています。
また、起伏に富んだ彫りは、時代の経過とともにその一つひとつに歴史が刻み込まれ、その移ろう様も見事です。
その堂々とした風格を漂わせている姿は心を打ち、満たしてくれます。
邪気を払うがごとく威厳のある風貌の憤怒相も見応えがあります。
荘厳な雰囲気を漂わせ、生命感がみなぎる、見る者の精神を深く揺さぶる力のある木彫仏です。
■「一木造(いちぼくづくり)」
平安時代前期(9世紀)の仏像は、頭部から体幹部までを一つの木材から彫り出し、両腕・体側部・両脚部などは別の用材を矧(は)ぎ足して作る場合もある「一木造(いちぼくづくり)」という技法が主流で、力強く量感豊かな表現が特徴です。
この像も、頭部から台座まで一木から彫り出し、腕を別材で矧ぎ足した痕跡があるため、一木造の仏像と言えます。
腰のひねりや動勢の強まりから中期初頭の要素もわずかに伺えますので、平安前期末〜中期初頭頃の作と考えます。
※中期(10世紀)以降は、より多くの仏像を効率よく造るために、複数の木材を組み合わせる「寄木造(よせぎづくり)」が発達し、平安時代後期(11世紀)の定朝様式で完成します。
仏像の大きさ 高さ440mm×幅167mm×奥行105mm
価格等は電話かメールにてお問い合わせください。
電話 025-526-8910
メール info@hanajizou.com
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