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古童 木彫 千体仏 観音菩薩像  

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仏教美術入門展という展覧会がむかし、静岡は三島の地にあります佐野美術館で開催されました。今から三十数年前の昭和最後の辺りでしょうか。

松田福一郎翁とそのご子息光氏の蒐集品の展覧会でしたが、仏像はもとより古瓦や写経や近世の仏版画や泥仏まで幅広く丁寧に集められたそれらは、仏教美術という壮大な世界の裾野まで網羅したその名に恥じない展覧会でした。今でもその展覧会のすごさは語り継がれ、少部数の図録はプレミア価格で取引されるほどです。

この展覧会のことを書いたのは仏教美術という敷居の高いものでも、残決や端切れから始めて愉しめるものも多いことを、ご存知なかった方にも知らしめたいとの思いからです。

さてこの木彫はどちらかと云えば裾野に近い方でしょうが、そんなことは後世の人間が作り出した勝手な相場観なんで、大切なのは鑑賞する人、座辺で日々眺める人の心情にフィットするかどうかというところですね。その点で傍らに常に置いておきたいと思えるいいお顔の仏像と思います。

サイズからして千体仏のような、数多く作って奉納したものと考えています。中世から近世にかけて(もっとも現代でもそうですが)広く篤く信仰された観音菩薩信仰の奉納仏なんでしょう。

お顔の中心やおなかの辺りに木目の渦の中心がくるように最初から計算されたとてもいい木取りがなされています。猫背気味でおなかが出るようなフォルムは古様な仏像の特徴を持っています。

木目の詰まったヒノキを使用しているようで丁寧な作りで、民衆の仏像ではなく仏師の仕事と思われます。ただし京の都や南都寧楽辺りの工房ではなく、地方の仏師が作ったものでしょうね。素仕事は丁寧ながら野暮ったさも持ち合わせています。

香を焚く仏壇のようなところではなく、神像のような扱いを受けていたんでしょう。いわゆる白サビ状態でずっと保管されていたようで状態の非常にいいものですが、古格のあるフォルムと木取りで時代が少し上がりそうですので、室町時代頃と考えております。

お像の下には智の文字が墨書きされていますが、塔頭の名なのかはっきりとはわかりません。

厳しい造形ではありませんが、とてもやさしいお顔立ちは座辺で眺めるのに適したもの、念持仏のような存在になる木彫です。

高さ36.8センチ(台座込み)

両手足の欠損や台座の欠損があります。虫食いなどはありません。

箱はありません。

画像に出てくる敷板や卓は付属しませんのでご了承ください。

90,000円


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