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桃山時代から江戸時代初期に焼成された古唐津の盃です。
素朴な中にも、深い味わいを宿す器です。
口縁の轆轤成形後、柔らかく撓(たわ)められた、手に心地よく収まる独特の「歪み」が魅力的です。
胴に走る轆轤目とともに、古(いにいえ)の陶工の「手の動き」がありありと見えるようです。
鉄分を含んだ、荒土の風合いを残した胎土は、しっかりと焼き締まっています。
焼成によって鉄斑が点在し、高台脇には炎の痕跡である焦げが残り、釉の流れや、やや乳濁した釉溜まりとともに侘びた景色を呈しています。
高台内には、焼成中に生じた土割れが見え、それが景色となり、侘びの精神を映し出しているかのようです。
特に茶陶的志向を強く持った器であり、堀の手の流れを汲むものと考えられます。
意図と偶然の狭間で生まれたこの造形には、古唐津ならではの侘び寂びが凝縮されています。
手取りの心地よい重さを感じお酒を呑めば、古陶特有の風趣をも楽しめる盃です。
矢印Aの部分に金繕いが施されています。また、高台内に焼成中に生じた土割れ(窯キズ)があります。
直径62~75mm×高さ50mm
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