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紙本 淡彩 川端茂章鑑定書
140×39㎝ / 231×55㎝
江戸時代を代表する絵師、円山應挙は「写生」を重んじた革新的な画風で、日本絵画の流れを大きく変えた存在です。本作に描かれているのは、芭蕉の茎をゆっくりと這いのぼる一匹の蝸牛。墨の濃淡と筆跡だけで芭蕉の迫力や生命力を表現する技量は見事。蝸牛の姿からは、ゆっくり大地を這い、ようやくここまでたどり着いた小さな命の物語が見えてくるようです。
大胆な構図と繊細な観察眼が融合した本作は、自然の営みに深く寄り添った應挙の個性が光る一幅。静けさの中に生命の鼓動が感じられ、長く眺めていたくなることでしょう。
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