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絹本 着色
166×87㎝ / 229×104㎝
江戸後期の画家である小泉檀山は、現在の栃木県益子市に生まれ、宮司として務める傍ら多くの作品を描き、また数多くの弟子を育てました。「檀山といえば鮎」と称されるほどの鮎図の名手ですが、今回は檀山の技量が凝縮した迫力ある山水画を紹介します。
荒波が押し寄せる断崖に酒を酌み交わす君子たちの姿。波間を覗き込もうとする様子も描かれ、その佇まいからは、荒々しい自然のなかでも静かなひとときを楽しむ「不動の心」が感じられます。自然の激しさと静謐な精神性の対比が巧みに表現された本作は、小泉檀山の卓越した筆致と感性を存分に物語る一枚といえるでしょう。
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