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寺子屋机とは主に手習いの師匠の家で読み書きを習う子供たちのためのむかしの勉強机でありますが、現実としては商家で使用されたり職人が作業台として使ったりと、いろいろと汎用性の高いものであったでしょうね。
そんな机ですから、とにかくたくさん作られてたくさん生活の用に役立ち、そして壊れたり、朽ちてしまったりすれば惜しげもなく廃棄されてきたでしょう。そんなものたちが現代に残ってくれたのは一つの奇跡なんでありましょう。
さて今でも机を見かけることがありますが、なかなか最近は気に入ったものを手に入れることが出来ないような状況でした。自分としては高級な素材を使った瀟洒なものも好きなのですが、こんなものが手に入ったら一も二もなく軍配を上げてしまいます。
素材としてはいちばん安い杉材と思われ、そこに四つ脚を組み込んだ形のもの。この裾広がりの形に作る脚はまるで動物のそれのようにも思えてさらにシンパシーを感じるものです。
そしてこの天板!無数の疵と染みついた味に彩られた抽象美術のキャンバス!ここまでいい味の机は滅多に手に入らないものと思います。私自身も過去に扱ってきた机の中でベストを争うようなものでした。
節穴が貫通していたりするのもまたいいものですね。いたずら好きの童が開けたものかもしれませんが、そんな息吹を感じられるのが木の古民藝のいいところでしょう。
またこの天板の薄さがこの机の魅力の一つですね。分厚く豪快な一品もいいですが、この薄さが独特の軽みを感じさせてくれてまた今日的なんでしょうね。この薄さ故にわずかに反っているのもまた妙味です。
深夜にわずかなライトの光のもと本を読み、あるいは好みの古陶磁を使っての侘びた晩酌に、この机は立派なステージへと昇華するものでしょう。ぜひともお使い頂いて愉しまれて下さい。
横87.2 奥行31.5~32.5 高さ24.1~25.3センチ
江戸時代~明治時代頃
生活の道具なので擦れ、疵、割れなどがありますが、この手として望み得る状態は非常に良好と云えます。こんなコンディションもうれしいところですね。
画像に出てくる器は付属しませんのでご了承下さい。
御売約ありがとうございます。 |
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