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木島桜谷「鹿図」
六曲一双屏風 絹本 着色
153×358㎝ / 170×576㎝
木島桜谷は、近代日本画の雄として再評価の機運が高まる絵師です。明治10年に京都の商家に生まれ、16歳で花鳥画の名手である今尾景年に師事した桜谷は、緻密で優美な動物画で一躍名を馳せます。中でも得意としたのが、「鹿図」です。本作は明治40年頃、文展で連年上位入賞を果たした壮年の作で、桜谷が得意とした付立(輪郭線を用いず、色の濃淡で形や質感を表す技法)によって、寛ぐ鹿の群れが描かれています。徹底した写生によるリアリティと、野生動物の本質を捉えた神秘的で清らかな世界観を併せ持つ本作は、これぞ桜谷といえる逸品です。 |
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