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中国、明時代末期の古染付兜巾茄子香合です。
何とも愛らしくも古格のある器です。
香合はその様相から、形物香合相撲番付表・西二段目一位前頭の古染付兜巾茄子香合の原型とも思われるような、かなり古い時代の作です。
鋭角に見えるスッキリとした形状ですが、稜線は丸みを帯び柔らかな姿をしています。
稜線部分の虫喰（むしくい）が景色の一部となり、造形に深みを与えています。
肌には温もりが感じられ、古染付ならではの心和む表情の器です。
器に描かれた茄子の絵は、リズミカルに配置され、とろみのある白色の上に味わいのある藍色で、生き生きと鮮明に描かれています。
生命感あふれた、おおらかな風情のある絵です。
器の下に配されたケムリは、畑にかかる朝霧のような趣きがあります。
豊かな景色が凝縮されている、詩情あふれる香合です。
稜線部分に虫喰（むしくい）があります。ですが、虫喰は古染付の特徴のひとつでキズとは見なされません。矢印Aの部分にニュウがありますが、景色の中に溶け込み気になるものではありません。
幅37mm×奥行37mm×高さ44mm
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