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15世紀の時祷書零葉です。時祷書とはキリスト教の一般信徒が家庭でも聖職者と同じように決まった時間に祈るために、また教会に行った際に使われていた祈祷書です。ラテン語で書かれており、獣皮紙に字と絵ともに手で書かれています。
挿絵は聖母戴冠の場面で、被昇天した聖母マリアに三位一体の神が冠を授けている様子が描かれています。イニシャルの中に人物、そして本文の周りにも可愛らしい花や植物、犬などが描かれており、ほのぼのとした印象です。余白に描かれた灰色の鳥の絵は写本が完成した後に描かれたものと思われますが、コミカルな姿は描き手のユーモアを感じます。また、一番上の鳥の絵はそれらを真似て落書きしたもののようです。裏面にもクスリとするような面白みのある挿絵が入っており、中世の魅力を感じる一葉だと思います。
本文は「神よ、私を救いに来てください」という定型句から始まり、次に栄唱 'Gloria patri...'、そして詩篇109篇1-5節 'Dixit Dominus Domino meo...'と続いています。
時代:15世紀、フランス
17.7 ×12.3(cm)
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