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丹波古窯で生み出された様々な魅力溢れるモノたちの中で、近年骨董の世界にあまり興味のなかったお若い人たちのあいだでも注目されているのがこの白丹波という一群でありましょうか。
当時の陶工たちはただ単に豊富な白化粧土をぜいたくに使って作ったもの、ある意味磁器の代用品のような意図もあったかもしれません。
しかし土ものであるが故、そこには経年の使用による変化が表れて巧ざる景色が千変万化に出てくるのが愉しいわけですね。つまりは朝鮮陶磁の粉引手のような面白味があるということでしょうか。
江戸末期から明治にかけて大量に作られた汎用性の高い保存用壺ですが、単純な白化粧だけでなく墨流しと呼ばれる鉄絵意匠を施しているのがちょっとだけ上手というポイントですね。
こうした抽象性の文様がまた若い工藝ファンにもアピールするところ、味のいい棚の上で野花をなげいれて愉しむのが今ではいちばんしっくりとくるでしょうか。
高さ13.8 胴径16.6センチ
江戸時代末期~明治頃
口縁から約4センチのニュウが1本、口縁部に約5ミリの薄い削げが1か所
箱はありません。
御売約ありがとうございます。
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