|
須恵器とは、およそ古墳時代頃から大陸から半島を経由して日本に入ってきた新しい陶器製作技術で、今まで野焼きに近い形で焼いていた土器とは違って、斜面に穴窯を構築して焼いていく高火度でシャープなやきもの、そこには水や酒などの液体も溜めておける画期的なものでありました。
最初は半島のものと見分けが使いないほどの金属器のようなイメージでしたが、朝鮮の技術者から日本人に変わっていくにしたがい、徐々に和様化した柔らかいラインの器に変化していきますね。
これなども実に日本的な穏やかなフォルムを持つ須恵器です。平瓶「ひらか、もしくはへいべい」と呼ばれる形で、酒を入れたのではと考えられています。
さてこの頃は施釉陶器はまだまだ超高級品であって、これら須恵器は基本的に無釉で作られます。がしかし窯の中のほんの一部に薪の灰が被り、それの珪酸成分が融けてガラス化したものが時折見られますね。いわゆる自然釉というもの、窯の中の神さまが作り出す得も言われぬ自然の景色であります。
上から降った灰が流下して一筋の釉薬の滝を形作ったところが最大の見どころでしょうか。鮮やかなグリーンが光っていて実にきれいな景色です。
またこれら発掘品は破損が当たり前であるのですが、奇跡的に無疵でこの世に伝わってきた実に実に希少なものと思います。
須恵器のみずみずしい膚は花との相性は言わずもがな、細身の口づくりは花が決まりやすく使いやすいものですね。
お好きな方は往時を偲んで徳利代わりに使ったりもしますが、まずは花でしょうかね。
濡らしたときの景色もまた見事なものです。
高さ13.8 胴径13.7センチ
7世紀 飛鳥~白鳳時代頃
塗のきれいな箱に収められています。
無疵です。降りもののひっつき痕などはあります。
御売約ありがとうございます。
|
|