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菊唐草文を白土と黒土で象嵌した、高麗青磁の筒形盞です。大阪東洋陶磁美術館蔵の参考写真でも触れましたが、本来の使用目的は韓方茶を飲用するための器とのこと。高貴な女性官人が日常の茶に愛用したのでしょう。現在は蓋と皿が失われてはいるものの、日常使いになんら不都合をきたすものではありません。
細かいスレや貫入があり、高台付近には土による微弱な酸化も認められますが、無瑕完好の品です。煙もくすみもなく見込の色艶もスカッとしており、盛期高麗青磁のレベルとしては合格点をあげてもよいと思います(手を添えている写真の色味がいちばん近いですが、実物はもっと綺麗です)。
永年御茶道具の火入として用いられていたようですが、灰の付着や黒ずみもなく清潔感があり、時節柄麦酒や麦茶を飲用するには真向きの一盞です。
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径 63mm
高 90mm
付属品 縞柄包裂、桐箱、更紗風呂敷
高麗時代(13世紀)
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☎ 0742-25-2566
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◎御約定いただきました。早々ありがとうございました!
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