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盞（碗）は失われておりますが、なかなか綺麗な上がりの素文青磁托です。窯跡発掘の品と考えられ、縁部が窯中で歪み水平を保っていないという理由で破棄されたのでしょう。しかし釉は艶を保ち、氷裂が少ない品であることから世上散見される高麗青磁の窯跡発掘品の中でも割合早い時期に招来されたことを示しています。
発掘時の手やりによるU字形のニュウがありますが、全体的にはよい状態を保っております。釉が灰青色であること、耐火土目跡の様子や比較的厚い作行などから全羅南道康津郡の龍雲里十七号陶窯で製産された作品に近く（*1）、いずれかの南院に納められるべき品であったかと考えられます。輪花ではないですがソウル国立博物館の蔵品に類例（*2）をみつけましたので写真をご参照ください。
（*1）『高麗青磁の研究』野守健著（清閑舎／1944年）
（*2）『天下第一翡色青磁』ソウル国立博物館編（2012年）
径 135mm（受け部／34mm）
高 50mm内外
付属品：桐箱
高麗時代（12世紀）
◎御約定：早々ありがとうございます！
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