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民衆仏を扱い続けても、続けても、まだ続けてもやっぱり見たことないようなものがまだまだ出てきますねぇ~。この先どこまで続くやらわかりませんが、とにかくこの好きなジャンルにずっと触れていたいと思っています。だってこれは本拠地に帰るようなものだから。
とまあこんな決意表明はこちらの楽屋噺ですんで置いといて。
こんなシンプルに作られたら一体どこのどなた様なんだろうか?と考えてしまいます。衣文の表現も山形に溝を彫っただけ、頭頂部は肉髻を表わしているようですが・・。神さまのような如来のような、でも愛らしい童子のような・・といろいろと想像は出来ますがその範疇を超えて結論には未だ至っておりません。
雑木を使って刻んだようで軽い材質です。もちろん長いこと囲炉裏端の神棚などにお祀りされていたんでしょうから乾燥が進んで軽いという事もありますね。全体に煤が廻って黒く変化しています。造像当初はおそらく木地のままであったでしょうからね。
どなた様かはまず置いといても、この素朴極まるお顔が大好きなんですね・・私は・・。
決して立派な、見た人が関心するような仏像ではありません。だいたいがこうして残る前に燃やされたり打ち捨てたりされていても、誰もなんにも思わない儚い運命のものかもしれない。
しかし圧政や厳しい自然環境に晒されていた庶民の真摯な祈りがこの像をこうして21世紀の世の中に残してくれたのかもしれない・・、そう思うと思わず手を合わさずにはいられない気持ちになるのは私だけではないでしょう。
「どうぞお鎮め下さい。」と勝手な現世利益をお願いしてみました。
高さ18.5センチ
民衆仏に決まった時代編年はありませんし、像容がわからないので正確な時代判定は出来かねるのですが、経験上江戸時代から明治にかけての辺りかなと考えています。
大きな傷みや補修というのは無いのですが、胴部に2か所虫食い穴があります。
御売約ありがとうございます。 |
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