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昭和初期、民藝運動の旗手:柳宗悦は濱田庄司、バーナード・リーチらを伴ってたびたび松江布志名の各窯を訪れ、輸出陶器が斜陽となり衰退していた窯を復興させるべく尽力。特にリーチは当地に滞在し、もともと英国の焼き物であったスリップウェアを指導。
その素朴で暖かみのあるガレナ釉とモダンなデザインは、布志名焼き舩木窯四代目:舩木道忠(1900~1963) にも強い影響を与え、和製スリップウェア誕生の礎を築きました。
道忠の長男、五代目:研兒(1927~2015) は濱田に師事、のちにはイギリス:セント・アイヴスのリーチ窯を訪ね研鑽を積み、日本を代表するスリップウェア作家となりました。
* 本作は様々な動物を描いた陶板を数多く制作した研兒の具象作品の中でも代表的な“鹿”。チューブから釉薬を押し出して絵を描くスリップウェアの技法で、日本で云うところの『いっちん』もしくは『筒描き』。
そして本作は通常の研兒の陶板よりかなり大きいのが特徴。いろいろ調べてみましたが、やはりあまり見ない大盤サイズです。
アガリも非常に美しく共の額もキズなく、状態はほぼパーフェクト。研兒好き、スリップ好きには最高のコレクション・アイテムかと思います。
◆ 陶板本体 17,8cm×17,7cm、額 26,6cm×26,6cm。裏面にお約束の『研』の印。製作年代は不明。
☆ タイトルのみ検索の便宜のため《船木研児》の漢字を使いましたが、文中は本来の《舩木研兒》を用いています。
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