|
茶巾筒とは茶籠などに仕込むお道具で、お茶わんを拭き清める布をしまう筒のことですね。まあよくご存知の方には余計な情報ではありますが・・。しかしご存知ない方々にこそよく知って頂きたいということもありますのですね。
陶磁器や竹、漆、金工など様々なものがあり、籠の意匠やコンセプトに合わせて揃えていくというのは一番の愉しみなポイントでありましょう。桜尽くしだとか、月をテーマにするとかの花鳥風月はもとより、飯盒にお道具を詰めて、登山の折に頂上で茶を点てる御仁もいらっしゃるし、自由な発想で様々なテーマに今もチャレンジし続けている方もおられるでしょう。
山水文と云うのはそれこそ旅先の野点などにはぴったりの文様でありましょう。古染付の爽やかでありながら冷たさは微塵も感じない温雅な膚は旅先の茶にも寄り添ってくれるものと思います。
木の下に佇む道士、空には鳥が遊び、水面には小舟が配されて、小さいながらも理想の桃源郷を表現しています。
もちろんお酒好きな方には見立て酒盃と云う手もありましょうね。特に筒好きの方には一つは押さえておきたいアイテムでしょう。
自由な発想でお好きに愉しんで頂ければと思います。
高さ7.9センチ 胴径3.9センチ
明時代末期頃
桐箱に収められています。蔵番が墨書きされた貼札があるお箱、鹿角の蓋が誂えられ、編み込みのお仕覆が添っています。
肉眼で確認しづらいのですが、口縁にごくわずかな削げが1か所見られました。ほとんど気にはならないレベルかと思います。
また箱の畳付部分、材が一つ外れて無くなっていますが、収納には特に問題はありません。
御売約ありがとうございます。 |
|