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伝世の信楽入隅鉢です。相当旧い箱に「紹鴎信楽」と書かれておりますが、織部の影響下にある器形や意図的な釉掛などから、室町期の信楽ではなく遠州時代に焼成された品でしょう。タタラで底面を作ったのち手づくねで縁を成形。乾燥時に土が干割れたのか手で豪快に灰釉を塗り付け瑕を埋められており、ゴリッとした存在感が興趣をさそいます。
瑕は先述の窯疵のみ(縁にも一箇所、窯割れがあり金直しされています)。笹を敷き水を打った取り箸を添えて夏の焼物鉢として。或いは菓子鉢としても生きると思います。信楽の風土がそのまま形となったような、魅力的な入隅鉢です。
幅 200〜205mm
高 45mm
付属品:時代杉箱
江戸初〜前期
◎御約定:早々ありがとうございます。 |
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