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江戸前期以前まで遡る、いわゆる「茶陶古備前」の作品の中でも希少な茶碗を仕入れる機会に恵まれました。桃山時代盛期の伝世品に散見されるような織部様の力強さやヘラ目等の作意は感じられませんが、いかにも遠州好みの「静けさ」を醸しつつ、江戸前期以降の骨のない繊細さとは無縁の古格に溢れた伝世茶碗です。正面の高台脇には二つの窯印が彫られ、目立ちませんが火襷も綺麗にまわります。また見込はすべらかに調えられており、茶筅が傷む気遣いもありません。
無瑕完好、非常に良好なコンディションです。蓋裏に銘がありますが、箱は後年の合わせと判断しております。そのままお届けいたしますが、箱の新調も行っておりますので御入用の方は御相談ください。いよいよ炉開き、温かみのある茶碗が有難い季節です。薄茶一杯がおいしく戴け、また道具の取り合わせもしやすい佳碗と存じます。お探しだった方には是非ともお薦めいたします。
* 古備前研究家の桂又三郎氏の鑑定書は、特長のある字体から悪意のある贋物が出回っておりますが本品は字体、印鑑、紙質の全てに破綻のない真面目なものですので御安心ください。
径 126mm
高 58mm
付属品:桐箱、桂又三郎氏鑑定書、御物袋
江戸初期
◎御約定:早々ありがとうございます。 |
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