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京の都は千二百年以上も文化の中心地であったのは疑いようのない事実、そしてそこでは各種、最新の流行の工藝が形作られていて、京焼と呼ばれる一群もその一つですね。
古清水、御菩薩や粟田などの窯もすでにお馴染みのもの、雅やかで凝った意匠の道具たちがたくさん焼かれてきました。
こちらは鎖国下でもわずかに交易のあったオランダのうつわを真似て、型紙によって絵付けした京焼のオランダ写し、いわゆる京阿蘭陀の向付です。
エキゾチックなヨーロッパの染織のような絵柄、しかしそこに描かれるのは純和風な桔梗や梅のモチーフ。主題は鸚鵡のようですね、和洋混淆で不思議な組み合わせでありますが、日本人の手によって上手くまとまっている装飾です。型紙染は京の染織ではわりとポピュラーな技法でしょう、手描きとはまた違った装飾効果を上げています。この手の型紙染の装飾は乾山工房の製品でいくつか見ることができますね。尾形乾山その人本人ではないにしろ、周辺の工房の作品のひとつと考えています。
もともと数がたくさんあったものでしょうが、今は離れてこの一客。ならばいつものパターンで見立ての酒器として愉しんじゃいましょう。使いにくいイメージがあるかもしれませんが、角の部分からするするとスムーズに入ってくるもので意外といい感じで使えました。
変わり酒器としておもてなしにもいいでしょうね、いろいろと並べて盆から好きなものを取って使って貰うというのが古陶磁好きの酒宴の愉しいシーンですね。
口径5.0センチ四方 高さ6.2センチ
江戸時代中~後期頃
桐箱に収められています。
無疵です。
御売約ありがとうございます。
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