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中国北斉時代（５５０−５７７）に中国北東部、青州龍光寺などの石灰岩系石仏の名産地である山東省周辺で制作、出土したと推定される作品です。本体の高さは約８cmと非常に小品ながらも、卓越した彫刻の良さが際立っており、風格と厳然とした強さ、凛々しさ、美しさを湛えた品格のある名作です。
悠久の歴史を持つ中国では最盛期の北魏時代から唐時代までだけに区切っても中国全土で大中小、特大サイズ合わせて数百万体以上の石仏が制作されてきました。その大半が廃仏毀釈や自然災害によって破壊され、人知れず土中に埋もれていました。そういった作品群がこの数十年間の中国の発展開発の工事に際して次々に発見され、世界中に収蔵されて行きました。２１世紀の現在でもたまに石仏群が発掘されたというニュースが飛び込んできます。掘ればまだまだ出るでしょう。
棄てられた場所、隠された穴蔵からは数百ほどまとまって発見されるので、数十年前の中国、香港では毎月のように市場にその月に出土したばかりの石仏が並んでいたそうです。かつては中国に文化財に関する法律がほとんど無かったため、それらの作品は合法的に世界中に輸出され、世界中の一流博物館で数千、数万以上の作品を見る事が出来ます。
しかし、現在では中国は世界に名だたる大国になり、文化財の保護に非常に神経を張り巡らせており、現在、中国から石仏などの文化財を持ち出す事はできませんので、今後、市場に石仏が増える事はありません。現在、コレクターが秘蔵している作品とわずかに市場に出ているだけが売買可能な作品となります。本作は日本人のコレクターの方が数十年前に中国の古美術店でお買いになり、愛蔵していた作品だと聞いております。
長きに渡り愛玩された様子がその肌合いや雰囲気から伝わってきます。中国製の金属の台だったのを職人さんに頼んで木製の台に作り替えました。更に古格が引き立ちより一層に美しくなりました。書斎机、書棚に何気なく飾っても非常に美しく、場所を選ばず太古の品格を部屋中に漂わせるオーラのある逸品です。およそ1500年前という永遠にも思える太古の文化財のロマンに触れ、悠久の歴史に想いを馳せるロマン溢れる作品です。
時代：北斉
産地：中国 山東省周辺
状態：残欠。補修はありません
寸法：高さ８cm（本体のみ）
来歴：日本個人
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