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桜材の一木を刳り、溜塗を施した臨器薬器(*1)です。薬器は古民藝のイメージが濃厚ですが、生まれが生まれだけに茶道具としての格を併せ持ちます。侘びた風情ですので他の道具と取り合わせしやすく殊に仏教美術を設える席には高い親和性を誇りますが、日常使いに於いても気持ちのよい品です。
ごく僅かに歪みが出ておりますが、使用に何ら差し支えありません。身と蓋の内刳りの深さ(角度)や糸底の様子などから江戸中後期の作品と判断しておりますが、旧い臨器薬器は目にする機会が少ないものです。
高 78mm
幅 60mm
付属品:なし(箱や仕覆を御入用の方には別途調製いたします)
江戸中後期
(*1)臨器薬器(のぞきやっき)
上下の唐戸面をとり、寸胴形で高台のついた器形を古くは臨器と称したが、この形は俗に西大寺形ともいい、奈良・西大寺に伝わるものが古作として知られている(『茶の漆芸 棗』池田巖著/淡交社刊より一部抜粋)。
◎御約定:ありがとうございました。 |
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