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古童 泥絵 額 目黒親父茶屋  

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今までに何度も書いて来ましたが初見の方もおられると思いますので蛇足ながら一言。泥絵とは安価な絵具で名所や各地の風景を描いた、江戸時代のカメラのない頃の絵ハガキ的なお土産品です。

江戸の後期になって僅かに交易があったオランダから、銅版画が持ち込まれ、そこに描かれていた遠近法を用いた構図を取り入れた町絵師たちが、量産するように描いたものだったわけですね。その中から亜欧堂田善や司馬江漢などのスターが表れて、彼らの作品は博物館などで目にすることができるかと思います。

そのスターたちの作品は別として一般の泥絵は、むかしでは安直な駄品として顧みられなかったのですが、そこにスポットを当てた人は柳 宗悦さんであったわけです。マッチ棒のような人物、平和な風景、名所で花見や釣りを楽しむ様子など、柳さんはそこに限りなく健康的で素直な美しさを認めたのでしょう。日本民藝館にもたくさんそれらが収蔵されているのは、館に行かれた方はご存知かと思います。

また泥絵にスポットを当てた人で忘れてならないのが、東京湯島の美術店、羽黒洞の主人、故木村東介さんです。長谷川利行や斉藤真一などの異端の作家、肉筆浮世絵などを世に送り出したことも有名ですが、また柳さんとの交流のなかで泥絵を初め民藝の品々を数多く紹介してこられました。

著名なコレクターさんであれば浜松の内田六郎さんもそうですね。なにしろ民藝館の前身の日本民藝美術館というものが有志によって建てられたのが昭和6年、内田さんの地元静岡の浜松の地でありました。氏のガラス絵や泥絵のコレクションは有数のものであったわけです。

品物から離れてくどくどと書いてきたのも、やはり今なかなか注目されていないジャンルにスポットを当てていきたい考えからですが、ご存知なかった方にもこうしてひとつひとつご紹介していく地道な積み重ねが必要なんじゃないかと思っています。

これは目黒の風景、タイトルも目黒親父茶屋となっています。目黒五林とも書いてありますが、これは茶屋の隣の五本の松の木が見事なので名所になっていたのでしょう。

現代の目黒からは想像も出来ない程当時はのんびりした田舎。当たり前ですが高層ビルやマンションもなく、遠くにはくっきりと富士山が白くそびえていますね。茶屋の前にこんもりとした丘があり、そこに枝ぶりの見事な松が五つ。その下で会食する人たちがほんの小さく描かれています。空はお決まりの青ですが、その青と木や建物の屋根の茶のコントラストは、江戸時代の古布を見ているようで本当にきれいな色合いです。やはりこの青さが際立つ配色が、ストレートに目に飛び込んできて心が満たされるもの、快晴の日の空の青さに不快感を持つ人などいませんからね。

額は経年の擦れや打痕などありますが、まったく緩みなく堅牢ですのでこのまますぐに飾ってお愉しみ頂けます。そもそもこの額装自体も上記の羽黒洞さんのお付けになったものと思われます。(過去に同じ額装の泥絵を扱ったことがありました。)

絵画というとしかつめらしいイメージかもしれませんが、泥絵は対極にあるリラックスしたもの、難しく考えずに現代の白い壁にかけてその配色を愉しんでみては如何でしょうか。

額装サイズ    49.0×64.3センチ

イメージサイズ  30.0×46.0センチ

江戸時代後期

たとうケースや段ボール箱などはありませんが、厳重に梱包してお届けします。

画像では撮影のためガラス板を外しております。現品はガラス板をはめ込んでお渡しします。

画面に擦れやわずかな滲みなどがありますが、お品の性質を鑑みて鑑賞を妨げるレベルではありません。

御売約ありがとうございます。

 


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