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伊万里のうつわは正式な呼称であれば有田磁器ということになりますが、積出港の名を取ってそう呼ばれることがもう昔から一般的になっていますので、ロマンを含んだ名前も学者さんと違って賞玩する立場からは,素直に愉しめるいいものだなと思います。
ただその中で単純に古伊万里とはまた違った藍九谷という通称は学術的なものとは違う、多分に叙情的なネーミングであるなと常々思っています。要するにこの初期伊万里の次の世代を占める呼び方にはそれらに対する惜しみない称賛の念が込められているのでしょう。
生産地についての長い間の論争、九谷加賀説と九谷有田説はほぼ後者に収斂されていくようですが、九谷という地名について残すのは前掲のような想いが詰まっているのかもしれません。
長々余計なことを書いてしまいましたが、そうそうこのお皿。初期伊万里の時代から好まれて描かれてきた白鷺の図。定番と云えばそうなのですが、すっきりとした爽やかな絵柄がなんとも云えずいいものはいい!ということでご紹介したいと思います。
円で区切られた中央に磐に身を寄せる二羽の白鷺。鳥の白さを際立たせるためにわざとバックに磐を持ってくる演出。彼らの足許には流水が墨はじきの技法で置かれていて、磐の表現は狩野派辺りの絵師の影響が窺えます。
周縁は型押しで如意頭を配していますね。そこには色を置かず中央の絵柄を邪魔しないように考えられていますね。
普段あまり扱わない伊万里ですが、スキっとした余白の白、上がりの美しい呉須のコントラストが
見逃せず仕入れたものです。
残念ながらニュウがありますが、逆に云うと手に入れやすいということも一つのメリット、七寸皿というインスタ映えならぬ飾り映えがするのもいいところじゃないでしょうか。
直径21.1センチ 高さ2.7~2.9センチ
九谷様式時代 江戸時代前期 17世紀中ごろ
口縁から約2.5センチと約3センチのニュウ、裏側にへこみのような削げがひとつありますが、こちらは釉薬が掛けられているので窯疵ということで、後代の疵ではありません。弾いても鳴くような不安感もありませんのでお使い頂く、あるいは飾ってお愉しみ頂くのに支障はありません。
御売約ありがとうございます。
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