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桑の曲木で作られた、洒落た意匠の香炉です。平蒔絵で表現した山や松梅は金色こそ鈍いものの、却って朴訥とした風雅と古格があり、粗目銀粉を蒔いた月と相俟って中世の山水図を観ているよう。手取りは枯れた軽みがあり、透漆のトロリとした木肌も堪らぬ味わいです。
蓋の蕊(しべ)装飾が一箇所欠失しておりますが、小さな部品ですので然程気にならないと思います。また灰受けには銅が用いられており熱で傷む気遣いはありません。旧い曲木細工、中でも書院棚に置ける格を持った香炉は希少です。
高 85mm
幅 65mm
付属品:桐薬籠箱(真田紐は欠)
江戸前〜中期頃
◎御売約ありがとうございます。
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