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古童 秀衡椀  

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秀衡椀と呼ばれる一群、それらは出自のはっきりとしない時代に、東北の地で散見された古様で雅やかな椀たちの呼び名として、平安時代平泉の地で栄華を誇った藤原氏が作らせたものとの伝承を基に名付けられたようです。

今ではおおむね浄法寺村で作られたように思われていますが、それもまた未だに決定打に欠いていて、新たに研究が進んでみればまた別の産地が現れてくるのかもしれません。陶磁器のように窯跡が発掘されて物原から陶片が出てくるというのが漆器にはありませんので、なかなか考古学的考察が難しいところがありますね。

戦前頃にこの椀を語った文章には平安時代の作としているものもあるようですが、現在ではそこまではっきりと古いものと断定はできないとするのが一般的です。鎌倉の地、鶴岡八幡宮の発掘調査で出てきた漆器の断片のようには決しがたいところでしょうか。しかし同時代の、文献などから類推した根来の製作年代から、この秀衡椀についても現在見つかっている一番古いところは室町末期頃とされているようです。

なんだか駄文を長々と連ねてしまいましたが、曖昧模糊としたものが逆に幻想を掻き立てるというのもまた事実でしょう。鮮やかな朱赤の上に雅やかな箔押し、源氏雲の間に描かれた葉の表現など、古格のある美しい漆絵に魅せられてしまい「秀衡椀」というひとつのブランドに収斂されて、考古的考察も後回しになってしまうというのもまた魅力故ということでしょうね。

これもだいぶ手擦れで薄くなっていますが、約束通りの金箔押しが見られます。間には蔦のような葉が愛らしく描かれていますね。葉脈を針描きで表現するのは高台寺蒔絵などにも見られる桃山の手法のようです。

通常三つ組、あるいは四つ組で重なって出てくることがありますがこちらは一つだけ、口縁に楕円状の古い直しがあって、おそらく元は片口になっていたのじゃないでしょうか。破損してしまったのでそこを椀として繕ったように思います。となればひとつで完結しているもので、また珍しいものでもあるでしょうね。

さてその出自はともかくとしても、古様な漆器の美しさとしては抜群でめったに手にすることが出来ないものと思っています。見込みも傷みはほとんどなくこれほどいいコンディションのものは久しぶりに買うことができました。

塗物の魅力はこの経年変化の巧まざる景色、そこにまた漆絵の魅力が加わった一品、ぜひとも手にされて座辺でお愉しみください。

口径11.8センチ 高さ7.7センチ

桐箱に収められています。

桃山頃の可能性を孕みつつ江戸時代初期頃と考えています。

口縁からクラックがひとつ見られます。その他微細な打痕や擦れ、剥落などありますが、この手の漆器としては非常に良好なコンディションと云えると思います。

また上記にあるように片口の注ぎ口を古い時代に補修したと思われる部分があります。

御売約ありがとうございます。
 


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