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飛鳥白鳳期において最大規模の伽藍が建立された
大官大寺 軒平瓦です。
最初の官寺である百済大寺に始まる大官大寺は
飛鳥寺や川原寺と共に三寺、後に四大寺の一つに
数えられる、国家鎮護の為に造営された
文字通りの大官寺でした。
記録では大官大寺の大伽藍は和銅四年に焼亡しており、
発掘調査により記録の事実確認がされたのですが、
本品も火中の痕跡を示す赤味を帯びた肌合いです。
両端部を残した全容をほぼ確認できる瓦当面は、
最大幅 約35センチ、厚さも約7センチ あり、
瓦当面後部に続く平瓦部分も残していますので
大寺の瓦に相応しい堂々たる迫力と造形を
お楽しみいただけます。
大官大寺式と様式分類される瓦当面は
内区に太々と伸びやかな均正唐草文を
外区に鋸歯文と連珠文ではなく連菱文が連なり
内区を囲む当時を代表する軒平瓦です。
強く弧を描く形姿は白鳳という時代を
見事に体現しています。
同時代頃(白鳳~天平期)のおおよそ全体を残す
平瓦をお付けします。こちらは寺院名不詳です。
(画像右列)
底面が削られているのは、屋根に葺いた際の
調整痕です。
白鳳時代
(画像はバランスを取る為に支えを入れて
撮影しています。)
上弧幅:約31センチ 下弧幅:約35センチ
厚さ:約7センチ 残存奥行:最大28センチ
ありがとうございました。 |
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