|
粗い土味と白濁した色調を呈す藁灰釉(失透釉)を特色とする北鮮系陶器、所謂‘会寧’の見立の花生です。
生まれは‘箸筒’という器形(8枚目の画像参照)で、底部の水切り孔を有する点以外は、対角線上にある環孔(紐通し孔)等、桃山陶の花生と見紛うほど同様の造りとなっております。
胎土・釉薬の調子は古高取・古唐津に酷似しており、研究が進んでない頃の誤認は致し方ないところでしょうか(11枚目の画像参照)。
会寧陶としても珍しい器形ですが、以前当店で扱った連結の箸筒(10枚目の画像)他、同手(9枚目の画像)の画像を添付致しました。
底部の孔は漆で塞がれ、水漏れもありませんが、念のため落としを使用されることをお勧めします。
力強い面取とたっぷりとした藁灰釉が魅力の、いかにも健康的な会寧の佳品です。
無疵。
高さ 18.5cm
口径 11.5cm
朝鮮時代/箱付
参照画像・・・「朝鮮陶磁名考」浅川巧 P52
「花」白洲正子 P49
「上野焼 400年」P126
「肥前の唐津焼」佐藤進三 No,37
|
|