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南蛮交易で様々な文物を得た17世紀頃、有力大名や茶人がこぞって夢中になったのが「海外注文」でした。本茶碗も来日していたオランダ人あるいは仲買人に切り型を渡し、大金と引き換えにオーダーしたのでしょう。明末の青花磁器を模範しているのは明白ですが、やはりオランダ人のセンスで描かれた藍絵は、当時の数奇者にとって大変エキゾチックに映ったのだと思います。
17世紀特有の肌の柔らかさ、程よい寸法。古い疵がありますが「本歌」の注文手茶碗は真に希少で、今後の入手には骨折れることと思います。MIHO MUSEUMで開催された『江戸の異国万華鏡 –更紗・びいどろ・阿蘭陀』展図録に同時代の品が掲載されておりますので御参照下さい。
径 94-98mm
高 76mm
箱/屋久杉古材柾
仕覆/古鬱金裂
17世紀
◎御売約ありがとうございます。 |
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