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白磁ではあるのでしょうがその膚はかなりグレーの部分が多いものですね。そして釉の厚いところが青磁発色していて、むしろ土ものに近いニュアンスでしょうか。ものの本には白胎青磁などとも表記がありますが、窯のなかの状況や釉薬の成分のちょっとした違いで、単純なものに収まらないダイナミックな変化に富んだものになっています。
俵壺とも扁壺とも呼ばれ、主に酒などを入れたこれも祭器のひとつだと思われ、その源流は新羅時代までさかのぼります。各時代に主流だった技法で作られ、焼き締め、鉄絵、掻き落とし、など様々焼かれていますね。
かなり大型のものも存在しますが、これはちょっと小振りで愛らしいところが魅力のひとつ、やはり今はコンパクトなスペースにちょっと飾れるものが人気がありますね。
その釉調は変化に富み、青い釉の流れがとてもきれいな一品、焼成時に土付きの部分はザクザクと釉縮みが現れダイナミックな印象、白くカセた部分は通常はマイナス点かもしれませんが、これに限っては窯変のひとつとして逆に好まれる部分と思います。もちろんそれはぽろぽろと剥離するようではいけませんが、これは釉下の貫入に沿った変化なのであくまでも表面はなめらかな状態です。
花生として水は直接張れますし、口径が小さめなので枝物も野花もわりかし決まりやすく、使いやすいものじゃないでしょうか。疵気もほとんどないのが嬉しいところですね。みずみずしい花と変化のある釉調がいい景色を見せてくれる一品です。
横巾16.3センチ 高さ14.4センチ 奥行13.0センチ
朝鮮時代後期 17世紀頃
新しく誂えた杉箱に収められています。
焼成時の接地面の部分に窯疵があり、そこを埋めて漏れ止めしていますので水を直接入れてお使い頂けます。
御売約ありがとうございます。 |
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