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デルフトの花鳥文盃です。日本からの注文品は1630年頃から60年代まで焼かれたとされておりますが、同時期に明王朝からもたらされた大量の染付磁器の影響もあり、本国オランダに「シノワズリ」文様が流行します。この盃は丁度その頃のもので釉下釉上に不慣れなタッチで花鳥文が描かれ、独特な「ヘタウマ絵」が茶人に喜ばれました。
口縁に金直し、畳付にホツレがそれぞれ2箇所。釉剥けも御座いますが、アガリよく気持ちのよい盃です。懐石の場において和陶の渋さに「花を添える」道具として、乾山等とともに人気があります。深さがありますので、茶籠(箱)の仕込茶碗にも好適でしょう。
径 86mm
高 54mm
杉箱、欧州更紗包裂付
17世紀末
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