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腰が据わり、刷毛ぶりのよい鶏龍山鉄絵壺です。均整のとれたプロポーションを轆轤目がより引き締めており、豪快な鉄絵のタッチと相俟って得もいえぬ魅力を発散しています。何を容れずとも(水で濡らすだけでも)、見飽きることなく、充実した美しさの宿った壺と思います。
鶏龍山諸作に散見される特色ですが、上釉が薄いため一部に白泥の剥離があります。しかし個人的には痛々しさを全く感じず、却ってこの程度でおよそ6世紀もの苦難を生き抜いてこれたことに安堵すら憶えます。あとは口縁に5mmほどのホツレがあるのみ(高台のクラックは窯疵です。水漏れもありません)。カセてじぼたれた品が多い中「文武両道の好青年」の如く爽やかな印象の鶏龍山は大変に希少です。お安く提供いたしますので「一度は鶏龍山の名品を」とお考えの方は、この機会に是非ご検討下さい。
幅 150mm
高 115mm
杉箱、麻製包布付
15〜16世紀
◎御約定:ありがとうございました。 |
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