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琵琶湖の西側、滋賀県の朽木村で産まれた朽木盆、定番の菊花の文様ですがもっと多くの方に知って頂きたく、久しぶりにご紹介したいと思います。
畳付がアールのついた丸底、口縁部は外にアールを付けて、内側の立ち上がりは垂直に削る、約束通りの造形です。見込みいっぱいに広がる菊の花弁、中央には待針のような雄蕊を描いています。弁柄漆の赤がベースで黒い漆で文様を描いたものもありますが、やはり定番はこちらの黒漆のベースで赤い文様というものです。しっとりとした良質の漆の質感とシンプルな文様が魅力あるものとして、民藝ファンから愛されてきたものです。
定番中の定番、でもそんなものを大切に紹介していく作業をサボっていてはいけないなとつくづく思いますね。何故ならいろんなものをご存知のベテランコレクターさんならば、見飽きたもののようでも、まだまだ初めてご覧になる方も多くいらっしゃるわけで、そういった方にこの古いものの世界を奥深く知って頂きたい思いが強くあるからです。
現代はSNSやネットの発達でいろんな情報発信が可能な時代、かく云う私もネットでこうして商売させて頂いているわけですが、人気のあるジャンルだけしかいいものが無いわけではない、探せば自分なりの目で座辺のコレクションを充実させることが出来るのが他の趣味とはちょっと違うところではないでしょうか。そういったことで入門編を馬鹿にせず丁寧にきちんと紹介することも続けていこうと思います。
干菓子盆として、美味しい抹茶と共に愉しまれるのは如何でしょうか。
直径25.4~24.0センチ
江戸時代後期頃
わずかに漆の剥落、経年の使用擦れなどはありますが、古漆器として抜群に良好な状態と云えます。
御売約ありがとうございます。 |
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