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伝世の塩餉茶碗です。朝鮮時代前期〜中期にかけての堅手ですが膚が柔らかく、掌に包みこむと心がすっと落ち着いてきます。大きな割れの直しがございますが、これは名残の茶事で使用する際、景色を作るために「わざと」欠いたもの(つまり割れの景色が正面になります)。茶事に使うものだからこそ「場に即した」ものに仕立て上げたい、という想いなのでしょう。
深い味わいの中に、若々しい色香を感じる茶碗です。使い擦れて口縁のホツレ(金直しが取れたのでしょうか)も畳付もスベスベ、気持ちよくお使いいただけるでしょう(目土を剥がした跡がありますが、瑕ではありません)。塩餉茶碗としては少々小振りですが、ちゃんと茶筅を振ることができますし、茶箱に仕込むのも一興です。
幅 100mm(口径 75mm)
高 75mm
印籠蓋杉箱、仕覆付
朝鮮王朝時代
早々の御約定ありがとうございます。
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