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我々にとっては、大津絵や石造の庚申塔でおなじみの庚申信仰の本尊『青面金剛』。江戸時代、庚申信仰は大いに栄えたと云いますから、木彫も全く作られなかったハズはなさそうなもんですが、先日この辺りに詳しい方ともほとんど見た記憶がないねと云う話をしたところです。
とにかく最初に本像を観た時、そのあまりにエキサイティングな異形ぶりに衝撃を受けました。しかし一見 異様なようですが、仔細に観ていくと 頭髪は頭巾、頭頂にドクロ、頭光背は火炎、腕は六臂、 持物は戟・弓矢・剣・ショケラ(髪を掴まれぶら下げられる女人=シヴァ神=三尸虫など諸説あり)を持ち、邪鬼を踏んで立つ…と、実はきちんと儀軌に則って造像されていることが分かります。それにしてもこれほど多くのパーツがほとんど失われずにほぼ残ったことも奇跡的。
本像はあくまで専門仏師が手掛けたのではない民間仏ながら、その技量も感覚も全く常軌を逸した出来映えであり、特に遠くを見つめるその眼差しには呪術的な神性が漲って、私はこれを民間仏中の白眉と云いたいのであります。
◆ 全高:30cm。頭光背が一度外れて接着してあります。庚申信仰に関しては既に出品している『庚申待 石猿』の説明をご覧ください。
・恐れ入りますが、お値段等はお電話にてお問い合わせくださいませ。 090-4450-7524 又は 03-3563-5311
◎ ご売約となりました。ありがとうございました。 |
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