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平らな口縁に頸部の低い筒状の形が、茶室の水屋で切花を溜めて置く切溜と呼ばれる竹の器に似ていることからその称がある、ベトナムの焼き締め陶器です。
切溜花入は煎茶の世界で珍重されてきた器で、煎茶が流行した江戸後期から明治・大正にかけて極めて声価の高いものでした。出品の花入も古くに請来され、伝世したものと思われます。
生れが雑器であるだけに数多の中から選び抜かれた一本ということなのでしょう、自然釉や窯変等野趣に富んだ釉膚が魅力的で、肩部の波状沈線が姿を締めております。
荒い胎土の性質上、小石等を食んだ箇所から水漏れがあります。落としをご使用下さい。
同手の画像を添付させて頂きました(8・9枚目の画像)。
伝世・無疵。
口径 9.7cm
高さ 31.5cm
17世紀/共箱 参照画像・・・「東南アジアの茶道具」茶道資料館 P61,63
ご売約、ありがとうございます。 |
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