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初めて見るハズのものなのにどこかで出会った事があるような気がする事ってありませんか?この妖しい存在感を発する石の鬼面も、ある人は李朝の古面を想うかも知れませんし、私は三国時代の『鬼』のイメージ(高句麗の鬼瓦や掲出のようなもの)を思い浮かべました。本品はおそらく、まま見かける李朝石製品同様19c~20c初頭の作品でしょうから、韓半島の人々はなんと千数百年もの間このような『鬼』のイメージを連綿と持ち続けて来たのでしょうか?彼らの持っている興味深い一面に、いにしえより継承してきた感性や手法(造形・建築・音楽・芸能 等々)を一貫して持ち続けている、と云う側面があるような気がします。それは伝統の固持というよりは、ある種の呪縛なのかも知れません。
さて本品は類例の見いだせないモノゆえ用途も判然としませんが、背面に突起がある事から その部分が何らかの器物に差し込まれていたものと考えられます。おそらくは一対(ペア)の把手のようなものだったのではないでしょうか。今のところ これ以上の説明ができませんが、このプリミティヴな『鬼』の造形に強く惹かれ購入しました。
参考画像:『扶余博物館陳列品図鑑 / 先史・百済文化』国立扶余博物館 (1992年)より。
◆ 幅:6,4cm、高さ:5,6cm、奥行き:7,9cm。
・ご売約となりました。ありがとうございました。 |
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