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初期伊万里のなかでも優品を焼いたことで知られる百閒窯、そこでは温雅な染付を施したお茶道具が作られていました。水指や花生、そしてこの筒茶碗などがそれですね。もっともこのかたちは古染付の火入れを模して作られたものなんでしょう、しかし見込みにも釉薬を施してお茶碗として使えるようになっています。
太湖石や梅、そして干網などが濃い目の呉須で絵付けされています。ゆがみやひっつき痕などがありますが、これもまた生掛け焼成の初期らしい特徴とも云えるもの、欠点でしょうがまた見どころでもあると思います。
高台内は釉薬が掛かっておらず、その美しい磁土が堪能できます。そして釉薬の厚く溜まったところの薄青は爽やかな色味を見せてくれています。
筒形の持ちやすいかたちは、抹茶はもちろん、番茶でも、またお酒でも、とにかくどんどん使いたいもの、爽やかな季節、爽やかなうつわでお愉しみ頂きたいと思います。
口径8.8~9.5センチ 高さ7.4~7.7センチ
江戸時代初期 杉箱に収められています。
口縁に釉剥けと金繕いとニュウ、見込みに降りもの痕があります。また胴と口縁の一部にひっつき痕がありました。実際にお使いになるのには特に支障はありません。
御売約ありがとうございます。 |
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