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筒形の盃のうれしいところは、やはり手に持ったときの安定感でしょうか、手のひらにダイレクトに感じる盃の体温みたいなものを感じられるからだと思います。しかしそうは云ってもなかなか出てこないのも事実、名品の筒形酒盃はお金を出せばそりゃ~見つかるんでしょうがねぇ・・。
でも使って愉しい骨董は、決して高価なものだけではない妙味がある世界です。探して探してやっとこさ見つけた感じの面白い盃が買えましたのでご紹介したいと思います。
なんて自分の手柄みたいにエラそうに云ってみましたが、私なんかより先に見つけ出した方がいらっしゃるわけですね。実は自在屋・勝見充男氏がその人です。テレビや雑誌でもおなじみの勝見さん、大のお酒好きでも知られていると思います。さすがに面白いものを見出すなと感心しきり、
これは買わねばと仕入れた次第です。
朝鮮時代は後期、なんてことない堅手なんですが、そのかたちが秀逸です。気持ちよく手に収まるサイズ、しっかりと焼けてなめらかな肌の内側には、貫入がきれいに入り味が少し染みています。また高台付近のへら削りが表情を作っていますね。畳付の風情がまた面白いもので、目土痕の表情も見どころです。
例によって箱にはのびやかな筆致で氏の箱書と勾玉形の印が押されています。旧蔵品であるのは氏に直接確認しております。
永く付き合える相棒はこんな素朴なものかもしれません、どうぞ愛蔵一品に加えてください。
口径6.4センチ 高さ4.8センチ
口縁から1.3センチほどのニュウが一つありました。
御売約ありがとうございます。
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